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アジアの風だより 第12話

ドイ・サケット チェンマイ

ちょっと古い話ですが──というより、かなり古いかな──見ましたか? しし座流星群を。私は見ました。チェンマイのさらに北の山の中、ドイ・サケットのダムのほとりで。どうせ見るなら視界の晴れ晴れしているところがいい、それも空気の澄んだところがいいというので、バンコクからはるばる夜行バスに乗って行ったのです。

結果はご存じのとおり、スモッグにおおわれた東京でも見えたように、よく見えました。白、緑、オレンジ色の流星が炸裂したり尾を引いたり、それも1分間に10数回も流れては消えていきます。山の上の方にあるダムですから、視界を遮るものがありません。真上を流れるものから水平線に沿って一直線に飛ぶものまで、ただ仰向けに寝ていれば見ることができたのです。まったくすばらしいものでした。

タイはいい国だなと思うのは、こういうときです。発展途上の国と言われることもありますが、裏を返せばそれは生きた自然に囲まれている国と言うこと。豊かな自然が手の届くところにあるのは、自然を破壊して発展してきた日本にはもう望めないことでしょう。

ふと見ると、流星群にまぎれて蛍が空を飛んでいきます。流星と違うのは、蛍の光は点滅すること。それがなければ見間違えるほど、明るく闇を横切っていきます。

蛍を見かける機会も、いまの日本ではすっかり失われてしまいました。嘆いてみても始まりませんが、日本列島を強引に改造してきたツケを、我々は構造改革として支払わされています。

ああむなしきは、心なき経済発展。まさに発展途上にあるバンコクの街並みを見ているより、こうして田舎の山奥で時を過ごした方が、その現実を実感できるに違いありません。