旅行会社こぼれ話 第3話 |
年末、あるアジアのリゾートにて
それは私が日本の旅行会社から東南アジアの、とある国に応援で来ていたときのお話です。
その国で一番有名なビーチリゾートは毎年、年末になると(年末じゃなくても)たくさんの日本人が休暇を楽しみにやって来ます。その年もいつものようにたくさんの予約をいただき、それをホテルに流していました。当然混雑する時期ですから、予約は慎重かつ確実に。と進めていきました。
ところが、クリスマスも間近にせまったある日、予約の再確認をすると、ホテルスタッフ曰く、
「そんな記録無いよ! いつ、誰に予約したの?」
当然、予約日も担当者も記録を見ればすぐに分かります。ところが、なんとその担当者は1週間まえに辞めていたのです。
「でも、ちゃんとFAXでやり取りしてるから大丈夫」
とふつう思いますよね!ホテルとしてスタッフが受けた予約ですもん、ちゃんと責任もって対応してくれると思うじゃないですか?
違ったのです。
リザベーションマネージャー、セールスマネージャー強いてはGMにまで話しましたが辞めた奴がなんて言ったか知らないけど、予約は無いよ!(当然満室)。
翌年、分かりました。そのホテルはオーバーブッキングをするたびに予約課のスタッフをクビにして、しかも全員でしらをきり通すという、新ルームコントロールシステムを開発したのです。
なんと恐るべし、HKTのホテル。
Written by 業界人
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