| 旅行会社こぼれ話 第９話 |
３３９日前のＺタイム午前０時
「３３９日前のＺタイム午前０時」
この言葉を聞いてすぐに意味のわかる人は相当な旅行通ですね！
結果を先にいいますとこれは、国際線航空券の予約が始まる瞬間です。つまり、出発日の３３９日前のグリニッジ標準時、午前０時が予約のスタートとなるのです。なかには少しフライング気味に数日前から予約をオープンしている航空会社や３００日前頃、なんとなく予約を開始する航空会社もありますが、基本的には３３９日前が予約の開始日なのです。ほとんどの方にはそんなことは、別にどうでもいいことなんですが、一部旅行業界の人間にとっては、非常に重要なことなのです。
それは例えば、ゴールデンウィークの３３９日前。そう、４月２９日の日本出発便の予約開始日ともなれば、一部業界人は時差を考慮し、早朝から出社してコンピューターを立ち上げて、その瞬間が来るのを待つのです。１１７番に電話を掛け、時報を聞きながら、待つのです。そうすると考えるわけですよ。「こんなことを世界中で、やっているのかなぁ～」なんて。１月下旬の寒い季節、朝早すぎてまだ暖房も入っていない激寒いオフィスでですよ！そうすると何かむなしくなってきますよ！ほんと！
まぁ～それでも、その瞬間、時報とともに 『ポン』 とコンピューターのキーを押して予約が取れればいいですよ！でも、来た回答がキャンセル待ちだったりするんですよ。業界ではキャンセル待ちをアルファベット２文字で 『ＨＬ』 と表記するのですが、始発で出社し、時報とともにアクションしたのに、帰ってきた回答は＜ＨＬ＞。最悪です。１年近くまえから予約の依頼をしてくださったお客様に言うんですか？ 『キャンセル待ちです』 と。言えないからみんな始発で来て、時報に合わせて 『ポン』 してるんですよ！『ポン』 を。
まぁ、考えてみればそうなんですよね！
たとえば成田発バンコク行きの飛行機、ジャンボだったとしてもせいぜい４００人しか乗れません。しかしながら、ゴールデンウィークにバンコクに遊びに来たい人は全国で１万人はいるでしょうから！
そんなこんなで、年末年始・ＧＷといわず連休の３３９日前は、一部業界人にとって非常に憂鬱な日なのです。ということは年がら年中、憂鬱なんですが.....
まぁ、世の中にはいろんなお仕事をされている方がいるとは思いますが、３３９日後の日にちをすぐに言える人はそんなにいないじゃないですか？ご予約は早めに！
あぁ～、明日は来年のソンクランの 『ポン』 しなくちゃ！
では。
