バンコク発航空券、パッケージツアー、ホテル、サービスアパート、ゴルフ、空港送迎。旅行会社 シンダイ

航空券タイ国内ツアー海外ツアータイ国内ホテルゴルフ運転手付レンタカー各種クーポン

HOMEコラム旅行会社こぼれ話第26話

旅行会社こぼれ話 第26話

イベントは儲かる?儲からない?

6月の日韓共催・ワールドカップは日本では大変な盛り上がりだったようです。ブラジルとドイツとの決勝戦が行われた日は、以前勤めていたフランクフルトの旅行会社でもその日はまるで仕事にならず、決勝戦を見せろと詰め寄るドイツ人スタッフの迫力に押され、結局試合の中継された午後の2時間は、特例として“一斉休憩”とし、私も目の前の仕事を放り出して、ドイツチームのプレイに一喜一憂するドイツ人スタッフに囲まれ、テレビに見入っていました。どちらかというと一般には小柄でスマートな体型の多いタイの人に比べ、背が高く、体格も一様にがっちりしている(中にはスキンヘッドで胸に刺青をしたネオ・ナチのような風貌の者もいる)ドイツ人スタッフに一斉に囲まれると、私もさすがに「うん。わかった。」と言うしかありません。

ところでワールドカップといえば、更に4年前、日本代表チームが悲願の初出場を果たしたフランス大会では、日本からも大勢のサポーターがフランスを目指し、これを当て込んだ大手・中小の多くの日本の旅行会社が格好のビジネス・チャンスとばかりにワールドカップ観戦ツアーを企画したものの、多くの旅行会社で出発間際に入場チケットが確保できない事実が発覚し、大変な騒ぎとなったことは記憶に新しいかと思います。

そういえば今回の日韓共催大会、前回のフランス大会の教訓がよほど堪えたのか、日本の旅行会社の取り組みはどこも4年前と比べ、非常に冷静だったようです。実際、海外に在外支店や営業所を持っている大手の旅行会社では、日本・韓国への観戦ツアーなどを募集していても良さそうでしたが、そのような気配はありませんでした。

もっともドイツでは、ドイツ人のやっている国内の旅行会社でも、その手の観戦ツアーを販売しているといった話はあまり聞いたことがありませんでした。当時、ドイツ人の同僚に「なぜ、ドイツの旅行会社はどこもそういったツアーをやらないのか?」と聞いたところ、「こちらでは仮にツアーを企画するとしても、原則、試合のチケットがきちんと確保できてから。サッカー協会からの一般へのチケットの割り当ては決まっているし、旅行会社はもともと入手できるチケットの枚数も少ないので、どこの旅行会社もやっていないようだ。」という返事でした。思えば、4年前の騒ぎの時も、もとより日本の多くの旅行会社に“石橋を叩いて渡る”ドイツ人並みの慎重さがあったなら、あのような深刻な事態となることはなかったのではないかという気がします。

普段から薄利多売の業界で、毎日の忙しさの割には一向に儲からない日本の旅行会社にとっては、かつてこのような“イベントもの”は一攫千金を夢見てついつい、手を出したくなる存在でしたが、今回のワールドカップを見る限り、日本の旅行会社も4年前の状況からは、幾分か変わったような印象を受けました。

Written by カオヤイの象さん