| アジアの風だより 第250話 |
身近な危険から身を守る方法
またやってしまったのか……と思ったのがニュースの第一報を目にしたときです。本年の7月深夜、バンコク都内のパブで火災が発生し、100名以上が病院に運ばれました。そのうちの37名の死亡が7月末の時点で確認されています。バンコク都内では2009年1月に同様のパブで火災が発生し、67人の犠牲者が出ました。それを受けて防火設備の充実や避難経路の明確化が徹底されていたはずなのですが、同じ事故が再び起こり、やはり大量の犠牲者が出る結果となったのです。
このパブは空き地に新築されたもので、平屋で屋上テラスもなく、大きな造りでもありません。にもかかわらず客の多くが店内から脱出できず、煙に巻かれて命を落としました。非常口はひとつしかなく、しかもそこは施錠されていた可能性が高いとか。なぜそうなっていたかの理由は明白で、無線飲食の防止です。タイは冷房設備のある空間での喫煙が法律で禁止されているので、タバコを吸いたくなった客は店の外に出る必要がありますが、そのまま会計をせずに逃げてしまう不届き者が少なからずいます。それを防止するために出入り口や非常口には強面の用心棒を立たせたり、あるいは外に出られないよう施錠するのです。とりあえず非常口を作っているのは役所を納得させるためで、実際はほとんどが機能していません。
この「パブ」と呼ばれている施設は、タイでは一般的なナイトスポットのことで、バンコクに限らずタイ国内のいたるところにあります。暗い店内にテープルが並び、奥にはステージがあって、バンドが交代で演奏するのが基本です。外国人の観光客が積極的に客として来ることはありませんが、まったく訪れないとも限りません。もしそのような場所に行くことになったなら、この記事を思い出し、最初に非常口の有無と、そこが利用できるかどうかを確認してください。怪しければ出入り口の近くに席を取るか、短時間で帰ることも検討しましょう。もっとも最初からそんな場所には近づかないのも慣れない海外では重要な判断です。
パブ以外では、2024年末にバンコクのホテル火災で日本人2人を含む6人が亡くなられています。こちらの記事も参考にしてください。
→ 第232話 ホテルにチェックインしたらするべきこと
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●国名: タイ
タイからはじめるバックパッカー入門 藤井伸二 著









